仙台高等裁判所 昭和27年(う)189号 判決
昭和二十四年法律第一一二号による改正前の塩専売法第五条には「政府より売渡したる塩…………に非ざれば、所有し、所持し、譲渡し、質入し、又は消費することを得ず…………」とあつて、同法第二十五条には「左の各号の一に該当する者は五万円以下の罰金に処し、其の犯罪に係る塩…………は之を沒収す。既に譲渡し又は消費したるときは、其の価格に相当する金額を追徴す。一、第三条乃至第五条…………に違反したる者、…………三、情を知りて政府より売渡さざる塩…………を譲受けたる者」とある。即ち、右塩専売法第二十五条は、取締の必要上特に設けた刑法に対する特別規定たる性質を有し、苟も同法条各号に違反した以上は、その犯罪に係る塩が違反者の所有たると、単にその所持に係るとを問わず、均しくこれを沒収する趣旨であり、その塩を既に譲渡し又は費消したときは、その価格に相当する金額を追徴すべきものである。されば、本件に於て、所論のように、被告人が福岡喜代雄に譲渡した自給製塩三十瓦入五十九叺中二十九叺は、他の組合員等の所有に属し、被告人はその委託をうけて自己名義で譲渡したものであるとしても、既に譲渡した以上、前記塩専売法第二十五条後段により被告人に対しその価格に相当する金額を追徴すべく、原判決には所論のような法令適用の誤はない。
(後略)